三田巡朗のぐるっと廻って

事物(もの)を知らないまま大人になってしまった。自然と共に。

多摩川のアレチウリ駆除と、スズメバチの吸蜜

2012年10月13日、調布市にある多摩川自然情報館で「多摩川の外来植物駆除~守ろう多摩川のいきもの~」が行われた。

駆除対象は、外来植物の「アレチウリ」。
この植物は、生育速度が速く、つるは長さ十数メートルになることもある。春から秋にかけて、河原一面を覆うように繁茂するため、日光を遮って他の植物の育成を阻害してしまい、在来植物を含めた生態系への悪影響が懸念され、特定外来生物に指定されている。一年草で種子で増えるが、種子には休眠性があるので土壌シードバンクを形成する特徴がある。
駆除は、定期的に6月、8月と行われ、今年3回目。今回は、来年の発芽を抑制する果実の飛散防止が目的で、根気よく続けることが大事。

※アレチウリの果実やつるの表面は棘や毛で覆われており、毛虫等の防御対策も兼ねて、駆除作業には軍手よりも家庭用の厚手のゴム手袋などが適している。

アレチウリの果実 卵型で3~10個が集まり表面は棘で覆われている。一つの果実に一つの種子が入っている

アレチウリの果実 卵型で3~10個が集まり表面は棘で覆われている。一つの果実に一つの種子が入っている

アレチウリが繁茂している様子

アレチウリが繁茂している様子

実施効果は、1時間ほどの作業で、96.3kgのアレチウリの駆除ができ、約144,450個の種子の散布を防げた。(事前調査によりアレチウリ200gあたり300個の種子がある前提で計算)。
効果の程は来年にならないとわからないが、葉を見分け、果実を探し、つるを引っ張り、根っこを引っこ抜く。草と地面をよく見ての作業は楽しく、充実した午前中だった。

【スズメバチ】吸蜜するスズメバチ
※ミツバチやスズメバチなど、刺すというのは、虫にとっても命がけの行為なので、よほどのことがない限りは刺さないが、注意しよう。

アレチウリの雄花とスズメバチ

アレチウリの雄花とスズメバチ

アレチウリの雄花とスズメバチ

アレチウリの雄花とスズメバチ

アレチウリの雌花とスズメバチ

アレチウリの雌花とスズメバチ

アレチウリの雌花とスズメバチ

アレチウリの雌花とスズメバチ

【おまけ】駆除したアレチウリを詰めたビニール袋からコンニチハ!ウリキンウワバの幼虫

ウリキンウワバ(蛾)の幼虫 ヘチマやカボチャなどウリ科につく害虫だが、アレチウリについている段階では害虫ではない?

ウリキンウワバ(蛾)の幼虫 ヘチマやカボチャなどウリ科につく害虫だが、アレチウリについている段階では害虫ではない?左写真:頭は向かって左側。右写真:頭は向かって右側

【外来生物法】
アレチウリは、特定外来生物に指定されているため、生育地域からの持ち出し等が禁止されている。違反した場合に罰則もあるので注意。
ref.特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律

※30代の筆者より上の世代では、外来植物の影響というと「セイタカアワダチソウ」を思い浮かべる方が多い。

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