秋の多摩川 蔓(つる)で延びる植物
夏から秋の河原は、蔓性の雑草に覆われて緑の絨毯のよう。概ね見られるのは以下の4種だろう。
(写真:2012年10月13日撮影)
【カナムグラ】
「クワ科」というのは意外だった。(クワ科には、他にイチジク、観葉植物のゴムノキ、ガジュマルなどがありどれも意外だ。)
子供の頃、駐車場の裏の草原に潜って秘密の道を作って遊んだが、この痛い草が大嫌いだった。
【ヤブガラシ】
名前の由来は文字通り、藪を覆って枯らしてしまうほどの生育が旺盛だから。また、「ビンボウカズラ(貧乏葛)」とも呼ばれ、その意味は、庭の手入れどころではない貧乏な人の住処に生い茂る、あるいはこの植物に絡まれた家屋が貧相に見えるから、と不名誉な別名がついているが、若芽は、あく抜きすれば食べられる。
【クズ】
90年代だったか、NHKのドキュメンタリーで、日本の研究者が、中国の砂漠の緑化に取り組み、寒さに強く、成長が早く、でんぷんが取れるのクズを植えていたのを覚えている。
葛湯や葛根湯でお馴染みの葛。
【アレチウリ】
先日、多摩川で駆除活動をしたアレチウリ。
【ヤブマメ】
藪のなかで、小さな鞘が目に付くヤブマメ。長さ2mほど、1年草、マメ科。本来は多少踏圧のあるところでイヌタデやツユクサなどと生えている植物のようだ。
花は、地上に開放花と閉鎖花。地下に閉鎖花をつける。明るいところ生育すると開放花が多くなる。繁殖面では、地下閉鎖果の種子が適しているようだ。
また、地下閉鎖果の種子は食用になるらしく、北海道のアイヌの人に特に好まれたとか。
クズとヤブマメの鞘を開けて種を出してみた。
クズの葉の中に巣を張っていたナガコガネグモ。隠れ帯が気になってしまう。