三田巡朗のぐるっと廻って

事物(もの)を知らないまま大人になってしまった。自然と共に。

良寛と雀

秋の夕暮。桜の木の枝に留まる雀

秋の夕暮。桜の木の枝に留まる雀(後ろにいくつか花が咲いてしまっている・・・)駒場野公園にて撮影 2012年10月12日

写真を撮っていると、幸いなことによく声をかけてもらえる。

今日も通りすがりの方と話に花が咲く。この方は、この公園の里山の自然について、駒場農学校時代から残る水田、集められた珍しい樹木、他の公園に比べ人の手が入らないように管理されていることを大変評価していた。
私もそう思う。ここは、敷地は狭く、雑木林は木の葉が覆い茂るから薄暗くて、鳥の姿は見にくいのだが、鳥との距離は近いのだ。エサと、水と、ある程度樹齢を重ねた木が揃っている。

会話の中で「高橋是清」と「良寛と雀」というキーワードが出てきた。
高橋是清の経歴を見ても、駒場農学校との関わりは見つからなかったが、おそらく、農商務大臣、農林大臣の時に、ケンネルまたは駒場農学校と関係があったのではないだろうかと思う。
良寛には雀のイメージが定着しているようだ。

<漢詩>
鳶巣喬木顚
黄雀聚其株
鳶使雀啄鷇
雀憑鳶護烏
此物猶尚爾
両箇逓互扶
如何其為人
彼此為相誅 

<貞心尼が良寛に読んだ短歌>
山がらす 里にいいかば 小烏も いざなひて行け 羽よわくとも(貞心尼)
とびはとび 雀は雀 鷺は鷺 烏は烏 なにかあやしき(貞心尼)

詩や短歌もわかるようになりたいものだ。

さて、話は弾み、策を乗り越えて田んぼへの入場許可まで出してくれたのだが、そこは丁重にお断りした。

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