水も滴(したた)るよいカラス!?
冬の朝は遅い。今朝は暗いうちから多摩川に行こうと決めていて、天候のことなど露ほどにも考えず家を出て、駅で傘を持つ人とすれ違いながらしまったと思った時には後の祭りだったが、あと1時間くらいは持ちこたえることを願いながら電車に乗り込んだ。バスが河原に着く頃にはしとしとと、ザーザーの間くらいの雨になっていた。それでも一枚と決めて河原に降りた。アオサギのグループは、遥か遠くから私を察知して去って行った。シジュウカラが留まる木は、アシ原が塞いで近寄れない。チチッと囀(さえず)りが聞えるアシ原一点張り。濡れないようにカメラをジャケットの下に隠し、ISOとシャッタースピードをギリギリまで落としてじっと待つ。滴が髪を伝って落ちていく。そんな中での一枚。種類がわかるように写っていてくれてよかった。
引き上げる時、土手で、頭を逆さにして水を飲んでいるカラスに出会う。たまにカラスは人の心が読めるのではないかと思うことがある。こんな時カラスはやさしい。同じぬれねずみのよしみで、私がスタンディングで構えているのにもかかわらず3mの距離で撮らせてくれた。