三田巡朗のぐるっと廻って

事物(もの)を知らないまま大人になってしまった。自然と共に。

博多の恵比須様

福岡県の博多駅と那珂川(なかがわ)の中間に、住吉三日恵比須神社、住吉神社、人丸神社、白髭稲荷神社、少彦名神社など、神社が密集し木が森のように茂る一画がある。11日は、朝に1時間弱の時間が取れたので小雨が降っていたが立ち寄った。敷地の中心部は、木々が空を覆うように生え薄暗い。いたるところでクスノキが、黒く熟した実をつけ、光の差し込まない根元はアオキを中心に低木が茂り、落ち葉もかなり堆積していた。鳥居をくぐり、一歩足を踏み入れると、車の音が消え、代わりにヒヨドリ以外にもけたたましい鳥の声が沢山聞こえてきた。ビルが密集する博多にオアシスのように存在するこの森のような場所に立ち寄れたことに感謝した。

敷地をまたぐと雨足が俄かに強まった。加えて、タイムリミットと暗さと沢山の鳥の気配に、重い鞄を背負いながらカメラを持つ自分に焦りが生じた。重い旅行鞄をおろし、恵比須様にお参りしたところ、雨は止み晴れ間が差してきた。鳥の声では種類の特定できないのが惜しいが環境は整い、後は自分次第となった。滞在できる時間は15分を切った。

写真のほとんどはシロハラのようだ。

暗い中で、元気に飛び回る鳥たちをうまく写真に収めることはできなかったが、その中に自分がいれたことが幸せだった。また、1年前、林の中で鳥を追えず翻弄されてた自分を思い出し、可笑しく、楽しかった。
双眼鏡を持参すればよかった。

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